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後遺障害事故の消極損害

交通事故の種類は、「人身事故」と「物損事故」の二つに分類され、それぞれの事故の損害は、「積極損害」「消極損害」「慰謝料」の3つに分類されます。
(参照:「交通事故 損害の種類」

本ページでは、「後遺障害事故(人身事故)の消極損害」について記します。

事故の種類と損害項目
人身事故 傷害事故 積極損害 / 消極傷害 / 慰謝料
後遺障害事故 積極損害 / 消極傷害 / 慰謝料
死亡事故 積極損害 / 消極傷害 / 慰謝料
物損事故 積極損害 / 消極傷

後遺障害とは、交通事故によって身体に回復が困難と見込まれる障害が残ったため、労働能力や日常生活に支障があると認められる状態のことをいいます。
「後遺障害事故の消極損害」では、「逸失利益」が損害賠償請求の対象となります。
「逸失利益」について以下に記します。

後遺障害事故における「逸失利益」

 交通事故が原因で後遺障害を負ってしまい満足に働けなくなったことによる減収分を、逸失利益として請求することができます。

 逸失利益の計算

逸失利益は、以下の計算式で算出されます。

年収 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
                     (もしくはホフマン係数)

労働能力喪失率とは

後遺障害により労働能力をどの程度喪失したのかの割合を示すものが「労働能力喪失率」です。

労働能力喪失期間とは

労働能力喪失期間とは、労働能力の低下により収入が減少するであろう期間のことです。症状固定から67歳までが期間とされています。
ただし、障害の内容、部位、年齢などにより労働能力喪失期間を引き下げて対応されることがあります(むち打ち症など)。

ライプニッツ係数(もしくはホフマン係数)とは

義肢等の装具費用や逸失利益を算定するときは、将来受け取るはずの金銭を現時点で一時金として受け取ることになるため、それを運用したと仮定して得られる利息分(中間利息)を控除しなければなりません。その控除の計算時に使用する係数が、「ライプニッツ係数(もしくはホフマン係数)」です。
係数には、ライプニッツ係数とホフマン係数の2種類がありますが、現在は主にライプニッツ係数が使用されるようです。

 

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