損益相殺

交通事故の被害者は損害賠償金などを受け取ることになりますが、場合により被害者は実際の損害以上の利益を得ることがあります。その余分に得られた利益を控除し、差し引くことを「損益相殺」と言います。
損益相殺について以下項目を記します。

• 損益相殺とは
• 損益相殺の対象

損益相殺とは

損益相殺とは上述しましたように被害者が実際の損害以上に利益を得られた場合にその余分に得られた利益を控除し差し引くことです。
では、実際にどういった場合に損害以上の利益を得ることになってしまうのかというと、例えば仕事中に交通事故にあってしまった被害者が労災保険の給付金を受け取る場合、これに足して自賠責もしくは任意保険の保険金を損害額満額で受け取ることになると実際の損害額よりも労災保険の給付金の分が多くなってしまいます。この多くなった分は利益と判断され、その利益分が損害額から控除され差し引かれます。
交通事故の被害者が受け取ることになる損害賠償の金額は、実際の損害額から過失相殺と損益相殺がなされた残りの金額ということになります。

損益相殺の対象

損益相殺の対象となるものには多くのものがありますが、以下に一部を掲載します。
また、保険金や給付金と名前がついていても損益相殺の対象にならないものも多くあります。

対象となるもの（一部）

• 自賠責保険金
• 健康保険法による給付金
• 国民健康保険法による給付金
• 厚生年金保険法による給付金
• 国民年金法による給付金
• 労災保険法による給付金
• 国家公務員、地方公務員災害補償法による給付金

対象とならないもの（一部）

• 生命保険金
• 自損事故保険金
• 搭乗者傷害保険金
• 傷害保険金
• 雇用保険法による給付金
• 生活保護法による給付金
• 香典、見舞金

関連カテゴリー

• 過失割合・過失相殺