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過失相殺例 横断歩道付近の横断者の事故

横断歩道上ではなく「横断歩道付近」で起きた事故における過失相殺の参考例を紹介します。

横断歩道付近・直近の事故

歩行者の中には横断歩道まで行かずにショートカットして渡ろうとしてしまう人もいます。ドライバーは杓子定規に考えず、横断歩道が見えたらその付近では「道路を横断する人がいる可能性が高い」と考え注意して運転するようにしましょう

1.横断歩道付近の事故

横断歩道付近の解釈

横断歩道の「付近」といってもどこまでが「付近」と理解すればよいのか難しいところです。「損害賠償額算定基準※1」では ”横断歩道の付近の距離関係は一概に決しがたいが、大体幅員10m以内の道路にあっては20~30m以内、14m以上のしかも交通量の激しい道路にあっては50m以内の場所をいうと解してよい。” としています。

歩行者の過失割合
25%

2.信号機の設置されている横断歩道直近の事故

横断歩道直近の解釈

横断歩道直近について「損害賠償額算定基準※1」では、 ”幹線道路にあっては横断歩道から15~20m以内の場所を、それ以外の道路では横断歩道から10~15m以内の場所が「直近」にあたると考えるべきである。” としています。

右左折車と歩行者の事故

車道の信号 横断歩道の信号と歩行者 歩行者の過失割合
赤で自動車進入 青で横断開始 5%
黄で横断開始 15%
赤で横断開始 25%
黄で自動車進入 黄で横断開始 30%
赤で横断開始 40%
青で自動車進入 青で横断開始 10%
黄で横断開始 40%
赤で横断開始 ※2
直進車と歩行者

交差点に入る車①と出る車②とでは状況が異なるのため相殺率が若干異なります。

① 交差点に入る車と歩行者の事故
車道の信号 横断歩道の信号と歩行者 歩行者の過失割合
赤で自動車進入 青で横断開始 10%
黄で横断開始 20%
赤で横断開始 30%
黄で自動車進入 赤で横断開始 50%
青で自動車進入 赤で横断開始 70%
② 交差点を出る車と歩行者の事故
車道の信号 横断歩道の信号と歩行者 歩行者の過失割合
赤で自動車進入 青で横断開始 5%
黄で横断開始 15%
赤で横断開始 25%
黄で自動車進入 赤で横断開始 50%
青で自動車進入 赤で横断開始 70%

※1(公)日弁連交通事故相談センター東京支部
※2 基本相殺率の捉え方から考え方がわかれる類型であるため空欄


上記に挙げた参考例は、多数ある過失相殺基準の中の一部の基準を参考例としてご紹介しています。夜間や幹線道路、歩行者が幼児や老人などのケースでは過失割合が異なりますのでご注意ください。

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